視覚支援について
自閉症スペクトラムの人のほとんどが視覚優位で、視覚支援が大事だと言われています。
視覚支援で1番手軽に使えるのは、カードで、絵、文字、写真など、1番分かりやすいものを使っていくことになります。
ただ、平面のものの認識がなければ、視覚で支援する意味がありません。
実物もしくは、立体物が使えるものであればいいですが、そういうわけにもいかないものも多いですし、持ち歩くとしたら、かさばるという問題もあります。
カードを使う前に、まずは平面の認識があるかどうかを確かめる必要があります。
身近なもの(食べ物が好きなら食べ物の実物かフィギュア、乗り物が好きならミニカーなど)の立体物と、写真、もしくは絵とマッチングをさせ、同じものと分かっているかチェック。
同じの意味が分からなかったら、立体物同士のマッチングから行ない、同じを教える必要があります。
写真で分かれば、写真で、絵で分かれば絵の方が手軽にカードにできるかもしれません。ただ、絵には落とし穴が。その絵でしか、認識出来ないということになってしまうと、応用がきかないので、カードにするもの以外にも、いくつかをおいおい見せていくか、平面のもの同士のマッチングをするのも良いと思います。
チェックする時は、ラミネートとかしなくても良いと思います。
労力使いすぎると、上手くいかなかった時のダメージが大きいので。
ただ、カードも一生ものと考えずに、いずれは言葉で理解ができるようにしていくことを目標にし、そのための通過点と考えてもらった方が大人になった時に過ごしやすいと思います。
次にスケジュールも使われることが多いと思います。
スケジュールについても、平面の理解が必要となりますし、ルーティン化したものは抜いていくとか、選択出来る子は、選択できるようにするとか、フリータイムを作るとか、だんだんとざっくりさせていき、いずれはなくても過ごせるようにした方がいいと思います。
ひらがなが早くから読めるお子さんは、文字でスケジュールを書くこともあると思いますが、ひらがなや数字が好きすぎるお子さんは、そこに固執してしまう場合があるので、注意が必要です。
視覚支援について、私が思うことですが、一生は、今の日本の社会では難しい気がします。
家ではできても、それ以外の場所で正しく対応して貰えることは少ないように思います。
視覚支援があるから落ち着くのであれば、逆にない環境では落ち着かなくなるということで、社会での適応が難しくなるのではないかと思います。
それと、視覚支援をするとしても、作り込まないことをおすすめします。
カードの所でも書きましたが、やはり、作り込んだものが上手く機能しなかった時のダメージが大きいからです。
初めは試作品くらいな適当なものから始めるのがいいと思います。
そして、本格的に使い始めても、内容も変える必要もあるでしょうし、徐々に簡素化していって頂きたいので、更新も必要になるので、パパッと作れるもので。
ただ落ち着くためのものではなく、将来を見据えながら、上手く使っていって頂きたいと思います。