他者意識と気持ちの理解⑤
人の気持ちを理解出来るかどうか確かめる検査にサリーとアンと課題というものがあります。
有名なものなので、知っている方も多いと思いますが。
登場人物はサリーとアンで、サリーにはカゴを、アンにはハコが与えられています。サリーはビー玉を持ってきて自分のカゴに入れ、散歩に出かけました。アンはカゴからビー玉を取り出して自分のハコに入れます。サリーは散歩から戻り、自分のビー玉で遊ぼうと思ったときに、ビー玉をどこで探すでしょうかという課題に対して 3 つの質問をします。
(1)ビー玉は本当はどこにあるか。
(2)前にはそれはどこにあったか。
(3)サリーはどこを探すと思うか。
これを答えられたら、心の理論という、他者の気持ちを理解するところを越えられたことになります。
早い子で4歳頃でわかると言われています。
とはいえ、早い子でなので、4歳過ぎていても
焦る必要はありません。
ひとつの目安です。
それはさておき、他者の気持ちって、どうやったら分かるのでしょう。大人だって難しい。
分かると言うより、自分に置き換えて考えることができるという方が近いかもしれないですね。
子どもに出来ることで一番いいのは絵本です。
どんなに簡単な絵本でも構いません。
絵本の中の登場するものの気持ちを代弁して言ってみる、お話できないお子さんの場合は聞かせていく、お話できるお子さんとは、話し合ってみるのです。
ASDのお子さんは、コミュニケーションが苦手なお子さんが多いので、特にやってみて頂きたいです。
だるまさんのような簡単な絵本でも、だるまさんがどてっとなったら、「いてて」など、ちょっと言葉を添える。聞いてなさそうでも、聞いてます。
少しお話できるお子さんはノンタンとかいいですね。
お話の中の登場キャラに共感することで、少しずつお母さんやお父さんなど身近な大人、そして、お友達の気持ちに興味を持ち、共感しようとするようになると思います。